「使ったらすぐしまう」ができないズボラさんへ。無理なく身につく「秒速片付け」習慣
片付けが苦手で、ついつい「後でいいや」と物を置きっぱなしにしてしまう。気がつけば部屋が散らかっていて、どこから手をつけていいか分からない。そんな経験はありませんか。
特に、「使ったらすぐしまう」という理想の行動が、なかなか習慣にならないと感じている方もいるかもしれません。
この記事では、「使ったらすぐしまう」ことが苦手なズボラさんでも、無理なく身につけられる「秒速片付け」の習慣について、具体的なステップと継続のコツをご紹介します。完璧を目指すのではなく、まずは「少しだけ」から始めてみませんか。
なぜ「使ったらすぐしまう」が難しいのか
「使ったらすぐしまう」行動が難しいと感じるのには、いくつか理由があります。
- 面倒くさいと感じる: 使った後に、元の場所に戻すというワンアクションが億劫に感じられます。特に疲れている時や、他のことに集中したい時は、この気持ちが強くなります。
- 「後でいいや」という気持ち: すぐに片付けなくても、後でまとめてやればいい、という気持ちが働きます。しかし、その「後で」はなかなか来ず、物が溜まっていってしまいます。
- 物の定位置が決まっていない、あるいは遠い: どこにしまえばいいか分からない、またはしまう場所が遠かったり、手間がかかったりすると、その行動を避けがちになります。
- 心理的なハードル: 片付けそのものに苦手意識があると、「しまう」という小さな行動も、片付け全体の一部のように感じてしまい、抵抗を感じることがあります。
これらの理由から、「使ったらすぐしまう」というシンプルな行動が、ズボラさんにとっては大きなハードルになってしまうのです。
「秒速片付け」とは?ズボラさんのための新習慣
ここで提案したいのが、「秒速片付け」という考え方です。これは、「使ったらすぐに、ごく短時間で元の場所に戻す、あるいは一時的な指定席に置く」という、究極にハードルを下げた「しまう」習慣です。
ポイントは以下の3つです。
- 「完璧」を求めない: ピシッと整頓する必要はありません。とりあえず、使った場所から移動させる、指定の場所に戻す、という程度の意識で構いません。
- アクションを最小限に: しまうための手間を限りなく減らす工夫をします。
- 意識のハードルを下げる: 「片付け」と構えるのではなく、「ちょこっと動かすだけ」という軽い気持ちで取り組みます。
この「秒速片付け」を習慣にすることで、物が散らかりっぱなしになることを防ぎ、部屋がきれいな状態を保ちやすくなります。
秒速片付けを身につける具体的なステップ
では、どのように「秒速片付け」を習慣にしていくのでしょうか。具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:まずは「よく使うモノ」からターゲットを決める
いきなり全てのモノに対して「秒速片付け」を意識するのは大変です。まずは、日常で最もよく使い、ついつい出しっぱなしにしてしまいがちなモノを1つか2つ決めましょう。
例: * 読みかけの雑誌や本 * 脱ぎっぱなしになりがちな上着 * 充電器やコード類 * 飲み終わったコップ * ソファの上に置きっぱなしになるリモコン
ターゲットを絞ることで、意識しやすくなり、成功体験を積みやすくなります。
ステップ2:ターゲットのモノに「秒速でしまえる場所」を作る
次に、ステップ1で決めたターゲットのモノに対して、「秒速でしまえる場所」、つまり「定位置」を決めます。この定位置は、「使う場所のすぐ近く」が鉄則です。そして、しまうためのアクションが限りなく少なくなるように工夫します。
例: * 読みかけの本:ベッドサイドやソファ横の小さなテーブルの上、または専用のブックスタンドを置く。 * 上着:リビングのドア近くにフックを設置する。クローゼットまで持っていくのが面倒なら、一時的にかけられる場所を作る。 * 充電器:よく使う場所(デスク、ベッドサイドなど)のコンセント近くに、コードをまとめられるクリップなどを設置する。 * コップ:飲み終わったらすぐシンクに入れる(これが難しければ、キッチンカウンターなどの指定の一時置き場を決める)。 * リモコン:ソファの決まった場所、またはリモコン立てを用意する。
「引き出しの中にきちんと並べる」といった手間のかかる収納ではなく、「とりあえず置く」「かける」「入れるだけ」で完了する場所にするのがポイントです。
ステップ3:「使う→秒速でしまう」のトリガーを設定する
「使ったらすぐしまう」を意識的に行うために、「トリガー(きっかけ)」を設定します。何かの行動とセットにすることで、忘れずに「秒速片付け」を実行できるようにします。
例: * 本を読むのをやめたら → 本を指定の場所に置く * ソファから立ち上がったら → リモコンを指定の場所に戻す * 部屋を出る前に → 脱ぎっぱなしの上着をフックにかける * 食事を終えたら → 食器をシンクに入れる(または一時置き場へ)
このトリガーと「秒速片付け」をセットで意識することで、習慣化しやすくなります。
ステップ4:できなかった日があっても気にしない
習慣化には時間がかかります。目標とする「秒速片付け」ができなかった日があっても、自分を責める必要は全くありません。「今日はできなかったな。明日は意識してみよう」と、軽く受け流すことが大切です。完璧を目指すと、できなかった時に挫折感を感じやすくなります。「少しずつ」「できる範囲で」続けていくという気持ちを持ちましょう。
心理的なハードルを下げる継続のヒント
「秒速片付け」を無理なく続けるための心理的なヒントや、ちょっとした工夫をご紹介します。
- 「後で」をなくすには「今、1秒だけ動く」: 「後でやろう」と思った瞬間に、「本当に1秒でできることか?」と考えてみましょう。例えば、ペンをペン立てに戻す、雑誌をテーブルの端に寄せる、などは1秒もかからないかもしれません。その「1秒だけ」動いてみることから始めます。
- 小さな成功体験を積み重ねる: 「今日は飲み終わったコップをすぐにキッチンに持っていけた!」という小さな成功を意識的に認識しましょう。「できた!」という感覚が、次の行動へのモチベーションになります。
- 一時置き場を活用する(ただしルールを決める): どうしてもすぐにしまえないモノのために、一時置き場を設けるのも有効です。ただし、そこが「散らかり場所」にならないように、「週末にリセットする」「一杯になったら片付ける」など、簡単なルールを決めておきましょう。
- 散らかりにくい環境を整える: 例えば、よく座る場所の近くにゴミ箱を置けば、ゴミをすぐ捨てられます。 DMや書類をすぐに分類できるよう、簡単な定位置を作るのも良いでしょう。環境を少し変えるだけで、行動は大きく変わります。
まとめ:「秒速片付け」で心地よい部屋と習慣を
「使ったらすぐしまう」習慣は、特別な能力や根性が必要なことではありません。それは、少しの工夫と「秒速片付け」というハードルの低いアプローチで、誰でも身につけることができる習慣です。
まずは最も気になるモノ一つから、「秒速でしまえる場所」を決めて、「使う→秒速でしまう」のトリガーを意識することから始めてみてください。
この小さな一歩が、物が散らかりにくい部屋への第一歩となります。部屋がきれいな状態を保てるようになると、探し物の時間が減ったり、気持ちがスッキリしたりと、日々の生活にも良い変化が生まれるはずです。
完璧を目指さず、あなた自身のペースで、「秒速片付け」を毎日の習慣に取り入れてみませんか。