使う場所でサッと片付く!ズボラさんのための「片付け動線」仕組み
片付けが続かないあなたへ。「しまうのが面倒」を解消するヒント
片付けようと思っても、なかなか続かない。部屋がすぐに散らかってしまう。特に「使った物を元の場所に戻す」という、たったそれだけの行動が億劫に感じてしまうことはありませんか?
もしあなたがそう感じているなら、それはあなたの「ズボラさ」だけが原因ではないかもしれません。もしかすると、今の部屋の「片付け動線」が、あなたにとって使いにくい状態になっている可能性があります。
「片付け動線」とは、文字通り、物を使い、そしてしまうまでの一連の動きやルートのことです。この動線がスムーズでないと、片付けはどんどん面倒に感じられてしまいます。
この章では、ズボラさんでも自然と片付く部屋を目指すために、「片付け動線」を意識した仕組み作りについてご紹介します。難しいことや特別なスキルは必要ありません。少しの意識と工夫で、日々の片付けがぐっと楽になるはずです。
なぜ「片付け動線」が重要なのか?
部屋が散らかる最大の原因の一つは、「一時置き」が増えることです。本来しまうべき場所にすぐ戻せないから、ついテーブルの上や床に置いてしまう。そして、それが積み重なって、あっという間に部屋が物で溢れてしまいます。
この「すぐ戻せない」の背景には、しまう場所が遠すぎる、しまうまでのアクションが多い(蓋を開ける、引き出しを開ける、重ねてある物をどかすなど)、そもそも物の定位置が決まっていない、といった問題があります。
「片付け動線」を意識するということは、こうした問題を解決し、物を使い終わった後に最小限の労力で定位置に戻せるような仕組みを作ることです。片付けのハードルが下がれば、「あとでやろう」を減らし、「今すぐできる」を増やしていくことができます。
ズボラさんのための「片付け動線」仕組み作りレシピ
では、具体的にどのように片付け動線を意識した部屋作りを進めれば良いのでしょうか。ここでは、誰でも無理なく始められるシンプルなステップをご紹介します。
ステップ1:自分の行動パターンを観察する
まずは、あなたが部屋でどのように過ごし、どんな物をどこで使っているかを意識してみてください。
- よく使う物は何か?
- それをどこで使っているか?
- 使い終わった後、どうしているか?(どこに置いているか?)
例えば、リビングのソファでスマホを充電することが多いなら、充電器やケーブルはソファの近くにあるべきです。郵便物を玄関で開封し、テーブルに置きっぱなしにしてしまうなら、玄関やリビングの入り口付近に「一時書類置き場」やゴミ箱があると便利かもしれません。
このように、あなたの実際の生活動線に合わせて物の定位置をイメージすることが第一歩です。
ステップ2:使う場所の「すぐ近く」にしまう場所を作る
自分の行動パターンを観察したら、次は物の「定位置」を見直します。基本的な考え方は、「使う場所のすぐ近くに、しまう場所を作る」ということです。
- リビングで使う物(リモコン、ブランケット、雑誌など): ソファの近くの収納、サイドテーブル
- デスクで使う物(ペン、ハサミ、書類など): デスクの引き出しやペン立て、近くのファイルボックス
- ベッドサイドで使う物(本、メガネ、ハンドクリームなど): ベッドサイドテーブルや壁面ポケット
- 玄関で使う物(鍵、ハンコ、宅配便の受領印など): 玄関に設置したトレイやフック、小型収納
「ちょっと手を伸ばせば届く」「立ったままサッと置ける」くらいの距離感が理想です。
ステップ3:しまうまでの「アクション」を減らす工夫
しまう場所を決めたら、次はそこへしまうまでの手間を減らすことを考えます。ズボラさんにとって、ワンアクション(一つの動作)でしまえるのが理想です。
- 引き出しや箱: 蓋つきよりも、オープンタイプや蓋が簡単に開くタイプを選ぶ。
- 書類: 積み重ねるよりも、立てて収納できるファイルボックスを使う。一時的に置く場所を決める。
- 脱ぎっぱなしの服: 洗濯カゴや「一時掛け」できるフックを脱ぐ場所に近く設置する。
- 小物: 細かい物は、まとめてトレイやかごに入れる定位置にする。
例えば、帰宅して鍵をどこに置こうか迷うのが面倒なら、玄関の棚に専用のトレイを一つ用意するだけで、「ここに置けばOK」という明確な定位置とワンアクションが生まれます。
具体的な場所別「片付け動線」のヒント
いくつかの場所を例に、具体的な動線を意識した配置や収納のヒントをご紹介します。
玄関
- 鍵: 玄関ドアや壁にマグネットフックやキーフックを設置する。
- 郵便物: 郵便受けから取ったら、すぐに仕分けられるよう、玄関に一時置き用のトレイや小型のレターラック、不要なチラシ用のゴミ箱を設置する。
- アウターやバッグ: 帰宅後すぐに掛けられるよう、玄関や廊下に簡易フックやハンガーラックを設置する。
リビング
- リモコン: ソファの近くにリモコンスタンドやボックスを用意する。
- ブランケット: ソファの横にかごを用意し、ポンと入れられるようにする。
- 雑誌や本: 読みかけは一時的にサイドテーブルやマガジンラックに置く定位置を決める。
- 文房具: リビングで使うことが多いなら、まとめて小さめのケースに入れ、よく使う場所に置いておく。
デスク・ワークスペース
- 書類: 「要処理」「後で読む」「保管」など、簡単な分類で一時的に立てて置けるファイルボックスをデスク周りに置く。
- 筆記用具: デスク上のペン立てや引き出しに入れる定位置を作る。
- 充電ケーブル: デスクの上や横に、ケーブルをまとめておけるクリップやスタンドを活用する。
続けるための心理的なアプローチ
片付け動線を整えても、「完璧にやらないと」と気負ってしまうと続きません。ズボラさんこそ、完璧を目指さず、以下の点を意識してみてください。
- 「〜ついで」を意識する: コーヒーを淹れるついでにテーブルを拭く、テレビを見終わるついでにリモコンを定位置に戻すなど、日常の行動に「ついで片付け」を組み込む。
- 「あとで」を「今すぐ」に: 例えば郵便物は、テーブルに置く前に「いる・いらない」だけを判断し、不要なものはすぐにゴミ箱に入れる。
- 「見える化」する: どこに何をしまうか、ラベルを貼るなどして視覚的に分かりやすくする。
- 無理なら諦める場所を作る: どうしても片付けられない場所や物があっても、自分を責めすぎない。他の場所が片付いているだけで十分効果はあります。
まとめ
片付けが続かないのは、あなたのせいだけではありません。今の部屋の「片付け動線」が、あなたの行動パターンに合っていないのかもしれません。
「使う場所のすぐ近くに、しまう場所を作る」「しまうまでのアクションを減らす」という二つのポイントを意識して、部屋のレイアウトや収納を見直してみましょう。
最初は小さな場所から試してみてください。例えば、いつも散らかってしまう「あの場所」だけ、物の定位置を「使う場所の近く」に移してみる。これだけでも、驚くほど片付けが楽になるのを実感できるはずです。
「片付け動線」を整えることは、単に物をしまうこと以上の意味を持ちます。それは、あなたが部屋でどのように過ごしたいか、どんな暮らしを送りたいか、というあなたの願いを叶えるための「仕組み」作りです。
ぜひ、あなたにとって無理なく続けられる「片付け動線」を見つけて、散らからない心地よい部屋を実現してください。