日常行動に組み込むだけ!ズボラさんの自然と片付く習慣レシピ
片付けが続かないあなたへ:日常行動を片付けのトリガーにする方法
「片付けなきゃ」とは思っているけれど、なかなか行動に移せない。いざ始めても、すぐに元通りに散らかってしまう。都内で忙しく働く一人暮らしのあなたにとって、片付けは大きなハードルになっているかもしれません。新しい時間を片付けのために確保するのは難しいですし、「疲れているから明日でいいや」と後回しにしてしまうのは自然なことです。
しかし、片付けのために特別な時間や大きな労力をかけなくても、部屋をきれいに保つ方法があります。それは、「いつもの日常行動」の中に、ほんの少しだけ片付けを組み込むという考え方です。
なぜ片付けが続かないのでしょうか?
片付けが続かない大きな理由は、片付けを「特別なイベント」として捉えてしまうことにあります。「よし、今日は一日かけて片付けるぞ!」と意気込んでも、始めるまでのハードルが高く、疲れていたり気分が乗らなかったりすると、結局先延ばしにしてしまいます。
また、片付けを始めるのに「スイッチ」が必要だと感じていませんか?多くの人にとって、そのスイッチを入れるのが難しいのです。
そこで今回ご紹介するのが、あなたの普段の行動を「片付けのトリガー(引き金)」として活用し、無理なく自然と片付く仕組みを作る方法です。
無理なく続けられる「行動連携」片付け習慣
この方法のポイントは、「片付けそのものを頑張る」のではなく、「いつもの行動をした『ついで』や『直後』に、小さな片付けをセットで行う」という点です。
私たちは、毎日無数の行動を無意識に行っています。歯を磨く、コーヒーを淹れる、服を着替える、家に帰る、電気を消す...。これらの「すでに習慣になっている行動」に片付けを紐づけることで、新しい習慣として定着させやすくなります。
脳は、特定の行動(トリガー)に続いて行う別の行動を覚えやすい性質があります。「〇〇したら、次は△△をする」という流れを繰り返すことで、意識せずとも自然と体が動くようになるのです。
あなただけの「行動連携」片付けレシピを作るステップ
それでは、あなたの日常に合わせて、この「行動連携」片付け習慣のレシピを作ってみましょう。
ステップ1:あなたの日常行動を洗い出す
まずは、あなたの普段の生活を思い返してみてください。朝起きてから夜寝るまで、どんな行動を、どの場所で、どんな順番で行っていますか?
- 朝起きてまずすることは?
- 顔を洗う、歯を磨くのはいつ?
- 朝食はどこで、どのように食べる?
- 家を出る前に必ずすることは?
- 帰宅後、まずすることは?
- 食事の準備や片付けは?
- お風呂に入る前後は?
- 寝る前に必ずすることは?
スマートフォンのメモ機能や紙のノートに、思いつくままに書き出してみましょう。
ステップ2:散らかりやすい場所や物を特定する
次に、あなたの部屋で特に散らかりやすい場所や、いつも出しっぱなしにしてしまう物をリストアップします。
- 玄関に靴や郵便物が溜まる
- ダイニングテーブルの上に書類や小物が置きっぱなし
- ソファやベッドの上に脱いだ服が置きっぱなし
- 洗面台の周りに化粧品やヘアゴムが出しっぱなし
- キッチンのシンクに食器が溜まる
- 床にバッグや本が置いてある
これらは、あなたが片付けの「行動連携」を設定すべき場所や物を示しています。
ステップ3:日常行動と片付けを連携させるレシピを作る
ステップ1で洗い出した日常行動の中から、ステップ2で特定した散らかりやすい場所・物に関連付けられそうな行動を選びます。「この行動をしたら、この場所のこれを片付ける」という「行動連携」のレシピを作ってみましょう。
レシピの例:
- 「朝食を食べ終わったら」 → ダイニングテーブルの上のものをトレイにまとめる、または元の場所に戻す
- 「歯磨きをしたら」 → 洗面台の周りのものを拭く、または元の場所に戻す
- 「仕事から帰ってきてコートを脱いだら」 → 玄関に置いてある郵便物をテーブルに持っていく
- 「お風呂に入る前に服を脱いだら」 → 脱いだ服を洗濯機に入れる、またはハンガーにかける
- 「寝る前にスマートフォンの充電ケーブルを繋いだら」 → 床に置いてある物を一つだけ元の場所に戻す
- 「テレビのリモコンを手に取ったら」 → 周りにある小物を片付ける
ポイントは、片付けのハードルを極限まで下げることです。例えば、「床の物をすべて片付ける」ではなく、「床の物を一つだけ元の場所に戻す」と設定します。達成感を積み重ねることが重要です。
ステップ4:小さく、そして一つから始める
作ったレシピの中から、最も簡単そうだと感じるものを一つだけ選んで、今日から実行してみてください。一度にたくさんの「行動連携」を始めようとすると、負担に感じて挫折しやすくなります。
まずは一つの連携を習慣化することに集中します。「朝食を食べ終わったら、テーブルの上のペンをペン立てに戻す」といった、本当に小さなことから始めましょう。
ステップ5:意識して繰り返し、定着させる
設定した「行動連携」を、トリガーとなる日常行動を行うたびに意識して実行します。最初は忘れてしまうこともあるかもしれませんが、気にせず、思い出したときに実行すれば大丈夫です。
「あ、歯磨き終わったから、洗面台を拭こう」というように、トリガー行動の後に続くアクションとして意識的に行うことを繰り返します。2週間から1ヶ月ほど続けると、徐々に意識しなくても自然と体が動くようになってくるはずです。
一つの連携が定着したら、次の連携レシピを試してみましょう。焦らず、一つずつ、あなたのペースで習慣を増やしていくことが成功の秘訣です。
継続のためのヒント
- 完璧を目指さない: できなかった日があっても落ち込む必要はありません。次の機会にまた実行すれば大丈夫です。
- 「できた」を意識する: 小さなことでも、設定した連携が実行できたら「よし」と心の中で呟いたり、チェックリストに印をつけたりして、達成感を味わいましょう。
- ハードルを下げる工夫: 片付けたい場所の近くに収納グッズを置く、物の定位置を決めておくなど、片付け行動自体がスムーズに行えるような環境を整えることも有効です。
- 目に見える効果を楽しむ: 片付けが定着してくると、少しずつ部屋がきれいになっていくのを実感できるはずです。その変化を楽しみましょう。
まとめ:日常の中に片付けを溶け込ませる
片付けを「特別なイベント」として捉えず、あなたの毎日のルーティンの中に自然な形で組み込む。この「行動連携」の考え方は、ズボラさんでも無理なく片付けを習慣化するための強力なレシピです。
まずはあなたの日常と、散らかりやすい場所を観察することから始めてください。そして、あなたにとって最も簡単な「行動連携」レシピを一つ作り、小さく始めてみましょう。
いつもの行動の「ついで」に、ほんの少し手を動かすだけ。その積み重ねが、気づけば「散らからない部屋」を作る土台となります。あなたもぜひ、このレシピを試して、心地よい部屋での暮らしを実現してください。